長寿企業
あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。
2016年がスタートしましたが世界中を見渡してみれば、サウジアラビアとイランの国交断絶と世界的株暴落が伝播するという波乱の幕開けとなりました。昨年末に、株価の下落と円高を予想はしましたが、年明け早々にこの様な動きとなりとてもビックリしています。
日本漢字能力検定協会が毎年行う公募調査の結果、昨年は漢字1文字で表した文字が“安”でしたが、このような出来事が象徴するように今年は決して昨年ほど安泰ではないのではと感じてしまいます。
2013年に帝国データバンクが発表したデータ(「長寿企業の実態調査(2013年)」)によれば、日本に創業100年以上の長寿企業は26,144社あるそうです。これは世界的に見ると際立って多い水準で、少し古いデータになりますが、2008年5月に韓国銀行が発表した報告書(「日本企業の長寿要因および示唆点」)によれば、世界中の創業200年以上の企業5,586社のうち半分以上の3,146社が日本に集中しています。
韓国には創業200年を超える企業はなく、創業100年以上の企業が2社、また中国では150年以上の歴史を持つ老舗企業が5社のみであると報告されています。
日本になぜ長寿企業が集中しているのでしょうか。これまでの分析では、植民地化を免れたこと、長期にわたる内戦がなかったことなど様々な要因がその理由として挙げられています。
長寿企業には必ずと言っていいほどその事業についての“家訓”や“商道徳”があると聞きます。こうした規範を守ることを長らく日本人は『伝統を重んじる』という言い方をし、美徳としてきま
した。一方で、近年においてはこれを「非効率的なビジネスにつながる前近代的な迷妄」とする
見方も増えました。
どちらが正解と論じるのは難しいことですが、ここでは少なくとも企業が長く継続している事実から、規範を重んじる姿勢が大きく寄与していると推測されます。古き良き伝統が薄らいできている日本ですが、もしかすると大切なものを簡単に手放しているのかもしれません。ちょっと窮屈なこともあるかも知れませんが、長きにわたり培ってきた日本の伝統を改めて勉強する一年にしてみる価値がありそうですね。
一心不乱
美しく生きるとは一筋に生きることだ
一筋に生きるとは自分を生かす一つのことに
一心不乱になることだ
一心不乱とは神意にただ従うことだ
フラフラするなグラグラするな
ウコサベンするな
(坂村真民/ 詩人)
座右の銘にしたい名言
夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、
実行なき者に成功なし。
故に、夢なき者に成功なし。
(吉田松陰/幕末の長州藩士、思想家、教育者)