ゴットマン率
平成27年度もあとひと月になりました。就職も決まり新社会人になる人たちはワクワクする気持ちと、また、不安な気持ちとがまじりあっているころではないでしょうか。
仕事を始める中で、やはり上司と部下とのコミュニケーションは気になるところではないかも思います。上司は期待するあまり、どうしても指導の名のもとにダメ出しや叱咤などが多くなってしまいがちです。部下への指導に熱心になり過ぎることで、批判、皮肉、あざけり、悪口などのネガティブ言葉ばかりを発していると、人間関係が破たんしてしまうという研究結果もあるそうです。
ワシントン大学の心理学名誉教授であり、夫婦関係を含めたパートナシップ研究のオーソリティーであるジョン・ゴットマンが提唱した、ポジティブ言葉とネガティブ言葉との数の比率を『ゴットマン率』と言います。
上司と部下との間では、ポジティブ言葉とネガティブ言葉との割合が4:1ならば人間関係が破滅的にならないと説いています。つまり、4回褒めて1回叱る程度ならば上司と部下の関係は破たんしません。「4回褒めて1回叱る」なんてとても難しいという声が聞こえてきそうですが、実際には圧倒的にネガティブ言葉の方が多く、「4回叱って1回褒める」が精一杯かもしれません。
しかし、“言葉の力”を信じて今この瞬間から積極的にポジティブ言葉を投げかけていくようにすることで、周りの人と良好な人間関係を築きWin-Winになれたらビジネスも成功につながっていけると思います。
【ゴットマン率】
・親子 ポジティブ言葉:ネガティブ言葉=3:1
・夫婦・恋人 ポジティブ言葉:ネガティブ言葉=5:1
・友人 ポジティブ言葉:ネガティブ言葉=8:1
・スポーツクラブのコーチと教え子 ポジティブ言葉:ネガティブ言葉=10:1
・お店のスタッフとお客 ポジティブ言葉:ネガティブ言葉=20:1
・配偶者の母親 ポジティブ言葉:ネガティブ言葉=1000:1
※最も極端な例では、配偶者の母親に対しては、1000回近くポジティブ言葉を発していても、
ひとたびネガティブ言葉を発言したら、関係が破たんしてしまうと言われています。
地球食
日清食品の創業者として知られ、世界初のインスタントラーメンを作った安藤百福は、若くして繊維工業や製塩業で成功を収めましたが、畑違いの金融業に手を出して全財産を47歳で失ってしまいました。
しかし、以前から構想を持っていた「お湯があればすぐに食べることができるラーメン」の研究を始め、試行錯誤を繰り返しあの「チキンラーメン」が完成しました。インスタントラーメンは、わずか半世紀の間に世界で年間1千億食も食べられる地球食に成長しました。そして、世界初のカップめん「カップヌードル」の開発も行い、日本と世界の食文化に大きな変革をもたらしました。
その後「インスタントライス」の開発を手がけますが、上手くいかず再び大失敗してしまいます。96歳まで生涯現役で生き抜き、長寿・健康の秘訣についての質問には「週2回のゴルフと毎日お昼に欠かさず食べるチキンラーメン」といつも答えていたそうです。
安藤百福の言葉に「未来とシナリオなき事業は、すべて清算しなさい。企業は夢がなくてはならない。夢が現実のものになるとき、飛躍的に成長する。企業という言葉は創造と同義である。新しいものを世の中に提供していく力がなければ企業である必要はない」と言っています。
モノづくり大国日本は、こうした先人の生き方と行動力を改めて見習うことが大切なのではと感じました。
座右の銘にしたい名言
私がこの世に生れてきたのは 私でなければできない
仕事が 何かひとつこの世にあるからなのだ。
(相田みつを/日本の詩人、書家)